【2026年版】AI文字起こしサービス徹底比較――個人とチームのための選び方
録音データをAIで文字にするサービスは、この1〜2年で一気に増えました。Notta、toruno、Rimo Voice、スマート書記、AI GIJIROKU、YOMEL――名前を並べると、どれも「文字起こしができる」ように見えます。実際、主要サービスの認識精度はどれも実用域に達していて、音声認識エンジンそのものの差では選べなくなっています。
では何で選ぶか。この記事では、無料枠・料金の実効単価・話者分離・編集・書き出しの5軸で主要サービスを比較し、「議事録」「インタビュー取材」「講義・勉強」「動画・ポッドキャストの字幕」というタスク別に、どんな選択が合理的かを整理します。
先に利益相反を書きます。筆者はAI音声SaaS「PUBVOICE」を開発・販売しています。本稿は各社の公開情報に基づく整理が目的で、比較表の作り方は自社に有利にならない軸(無料枠の分量など)も含めて提示します。価格は変更されることがあるため、最新は必ず各社公式ページで確認してください。
選び方の5軸
市場分析の記事で詳しく書いたとおり、認識精度が実用域に達したいま、サービスの実力差が出るのは次の5つです。
- 無料枠の実質: 「累計3時間きり」か「毎月更新」かで、試しやすさがまったく違う
- 料金の実効単価: 表示価格ではなく「自分の月間利用時間」で割った1時間あたりのコスト
- 話者分離(diarization): 複数人の会話を「話者A/B」に分けられるか、その精度は編集時間を左右する
- 編集体験: 話者名の修正、検索、誤認識の直しやすさ
- 書き出しと再利用: TXT(話者付き)/SRT/VTT形式、コピー&ペーストのしやすさ
主要サービス比較表(2026年時点の公開情報)
| サービス | 無料枠の目安 | 有料の目安 | 話者分離 | 主な書き出し | 得意な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| Notta | あり(月間制限) | 月額数千円台〜 | ○ | TXT/DOCX など | 会議・インタビュー両方、多言語 |
| toruno(アドバンスト・メディア) | パーソナルは累計3時間 | 時間課金・月額ともあり | ○ | TXT など | 会議録音、議事録 |
| Rimo Voice | お試しあり | 月額制 | ○ | TXT など | インタビュー、日本語特化 |
| スマート書記(Otolio) | お試し | 企業向けシート課金 | ○ | 議事録形式 | オンライン会議の自動記録 |
| AI GIJIROKU | お試し | 企業向け | ○ | 議事録形式 | オンライン会議、要約 |
| YOMEL | あり | 従量/月額 | ○ | TXT など | 講義・インタビューの録音持ち込み |
| PUBVOICE(自社) | 登録なし90秒+月60分 | 月額制(分と文字の2メーター) | ○ | TXT/SRT/VTT | 録音持ち込み、字幕、TTS併用 |
※スマート書記のシェアは、BOXILの1,690人調査で1位(BOXIL)。海外製ではOtter.ai(無料枠あり・分単位上限)やFireflies.ai(席単位の定額)が定番です。表の価格帯は公開情報の目安であり、プラン改定で変わります。
タスク別: どれを選ぶか
議事録(会社の会議)
オンライン会議が中心で社内展開するなら、会議に自動参加して録音・要約まで回すタイプ(スマート書記、AI GIJIROKU、Notta)が楽です。議事録係を固定できる組織では、シート課金でも投資対効果は出やすい。一方、録音をボイスレコーダーやスマホで撮る現場(対面会議、役員会、現場ミーティング)では、ファイル持ち込み型のほうが素直です。
インタビュー・取材
文字起こしの理想は「誰が・いつ・何を言ったか」の再現です。話者分離の精度と、話者名をあとから一括で直せる編集機能が効きます。日本語特化をうたうRimo Voiceや、編集・書き出しを回すPUBVOICEのほか、Nottaも候補になります。取材の文字起こしは稿づくりの上流工程なので、SRT/VTTで字幕にできるかも検討する価値があります(動画化する場合)。
講義・勉強・語学
長時間録音を一気にアップロードできるか、月の無料枠がどれだけあるかがポイント。学生・個人なら、月次で無料枠が更新されるPUBVOICE(月60分)やNottaの無料枠から始めるのが現実的です。1回限りの利用なら、時間課金のサービスと月額制のどちらが得かを、自分の利用ペースで計算してください。
ポッドキャスト・YouTubeの字幕
確実にSRT/VTT書き出しに対応しているかを確認してください。TXTしか出ないサービスだと、字幕ファイルを別ツールで作り直す手間が発生します。PUBVOICEはSRT/VTT書き出しに標準対応しています。
年間コストの感覚計算
「月5時間文字起こす人」を例に、感覚を掴んでください(各社の最新価格で再計算を)。
- 従量型(1時間500円と仮定): 月2,500円 → 年3万円
- 月額型(月2,000円で上限内と仮定): 年2.4万円
- 無料枠+従量(月60分無料+残り従量): 月2,000円 → 年2.4万円
重要なのは、自分の月間利用時間を把握してから料金ページを見ること。「無制限」をうたうプランは原価管理のため何らかの上限(ファイル数・時間・回数)が設定されていることが多く、公開されている上限と自分の利用ペースが合うかで損得が決まります。
選び間違いを防ぐチェックリスト
- まず登録前に試せるか(PUBVOICEは90秒まで登録不要で試せます)
- 自分の音声(複数人・専門用語入り)で試して、話者分離と誤認識を確認したか
- 書き出し形式が自分の次の工程(議事録/字幕/原稿)と繋がっているか
- データの保存場所・保存期間・AI学習利用の有無を確認したか(法人では必須)
- 解約方法(月払いか年払いか)を確認したか
FAQ
Q. 無料でどこまで使えますか?
A. PUBVOICEは登録なしで90秒、登録後は毎月60分の文字起こしと1万字の音声生成(TTS)が無料です。他サービスもお試し枠がありますが、「累計」か「月次」かは必ず確認してください。
Q. 話者分離はどのくらい正確ですか?
A. 録音状態に大きく依存します。マイクが1つの遠距離録音では分離精度が落ちるため、録音ガイドにあるように話者ごとに近い位置で録音するのが最大のコツです。
Q. 専門用語や固有名詞はどのサービスでも苦手ですか?
A. 傾向としては共通の課題です。前後の文脈で人が直す前提で編集機能の良し悪しが効きます。PUBVOICEでは文字起こし後のエディタで話者名の変更と一括編集ができます。
Q. 動画の字幕にも使えますか?
A. 使えます。PUBVOICEはSRT/VTT形式で書き出せるため、そのまま動画プレイヤーや編集ソフトに読み込めます。
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笹尾 祐太朗
代表取締役 / 株式会社メディアリープ
KADOKAWA / ドワンゴでのWebメディア収益化・データ分析、SSP / アドネットワーク事業でのプログラマティック広告収益化支援を経て、2025年5月に株式会社メディアリープを創業。AI音声SaaS「PUBVOICE」、観光DXアプリ「ANIME TRAVEL」、音声AIチャットアプリ「AITOMO」を企画・開発・運営。広告・技術・分析・事業を横断する視点から、データをもとにしたメディア収益改善に取り組む。
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